534 名無しさん@お腹いっぱい。 [] : 2011/08/04(木) 18:16:56.96 ID: Be:


俺さー

一番の友人を中学校の時に亡くしたんだ

そいつは俺の野球仲間でキャッチャーで四番だったんだ。

俺はエースでそいつとはバッテリー組んでたんだ

地元では県内最高バッテリーとか言われて少し評判だった

家も近くだったし、キャッチボールしたり、ゲームしたり

あるときなんか恋話なんかしてすごい楽しかった。

でもさケンカってつき物なんだね

3年の最後の夏、大会の1週間前に殴り合いのケンカをした。

理由は練習中にそいつが俺のボールをポロポロこぼしてさ

それに腹が立って

俺が殴りかかったんだ。

それからあっという間に大会前日になって背番号発表があった

俺はエースナンバーをもらったけどそいつは13番だった。

納得がいかなかった。

上手くいけば全国大会も狙えたのに司令塔がいなかったらってね

でもケンカして以来一度も話さなかったから

そいつに聞けなかった。

でも試合には順調に勝ち進んで地方大会決勝まで来たんだ

そいつ抜きで。

決勝前日、俺は監督に抗議しに行った。

「どうしてあいつを試合に出さないんですか?」って


535 名無しさん@お腹いっぱい。 [] : 2011/08/04(木) 18:42:15.23 ID: Be:

>>534の続きです。

そしたら監督が言いにくそうにこういったんだよ

「あいつは末期がんなんだよ」と

俺はハッとした。

あいつ・・・体力が落ちてたんだ。

そいつはケンカが起こる前日に初めて抗がん剤を打って練習に来ていたんだ

俺はその話を聞いて泣きながらそいつの家に行って謝った

そいつは笑いながら許してくれた。

そしてこういった

「俺・・・下手したらあと2ヶ月くらいで死ぬかもしれない」って

嘘みたいだった。そんな素振りはまったく見せなかったから。

俺はその日そいつといろんな話をした。

迎えた決勝戦

4番ピッチャーで先発した俺は、6回まで相手校をパーフェクトに抑えていた

打撃でも2打点を上げ試合を優位に進めていた

最終回に俺は監督に直訴した

「あいつを最後に出さしてやってください」と

願いは通じた。

俺はあいつと最後のバッテリーを組んだ。

そして最高のボールをあいつのミットに投げ込んだ。

気がつくと皆がマウンドに集まっていた。

ウイニングボールはあいつが持っていた

最高のキャッチャーで、ライバルで、そして親友だったあいつに・・・

全国大会にはあいつは再び2番を背負ったが

試合に出ることは無かった。

ガンの活動が活発になったからだ

8月18日午後2時15分

あいつは息を引きとった。

同時に俺の夏も終わった。

全国大会準々決勝敗退

試合が終わった次の日に葬儀があった。

俺は棺の中にあいつが背負った背番号2のユニフォームと

俺が背負った背番号1のユニフォームを入れた。


来年俺は二十歳になります。

久しぶりに母校を訪れました

あいつの写真と3年間使ってたゼットのキャッチャーミットを持って・・・


以上です。

文才無くてすいませんでした